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【放送大学千葉学習センター/学びの先輩に聞く】学問で人生を豊かに。大人になっても成長できると放送大学は教えてくれた
放送大学 千葉学習センター
5年前
- 社会
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放送大学教養学部全科履修生(千葉学習センター)/原 陽子さん
社会人のための生涯学習機関として1981年に創設された千葉市美浜区の放送大学。テレビやラジオ、インターネットを活用した通信授業のみと思われがちだが、各都道府県に置かれた学習センターでは一般大学と同様の対面式授業(面接授業)も行われており、大学開設からこれまでに延べ130万人以上が卒業している。
今回、千葉学習センターでお会いしたのは、2013年4月から放送大学で学ぶ原陽子さん。専業主婦としてふたりの娘を育てあげ、次女が大学院に進学するのを機に自らも大学生になった。教育熱心な母親だったと振り返る原さんだが、その原動力は20代の頃から人知れず抱いていた学歴コンプレックスだったという。原さんが放送大学に入学した経緯や、この6年で生まれた心境の変化などを大いに語ってもらった。
模擬試験の結果に泣き、志望校をあきらめたあの日
現在、放送大学には全国約9万人の学生が籍を置き、主な年齢層は40~60代。社会人や主婦、第2の人生を送るシニア層など実に幅広い人たちが学んでいる。今回お会いした原陽子さんもそのひとりだ。もともと興味のあった心理学を深く研究するために40歳を過ぎてから放送大学に入学し、2018年3月に「心理と教育コース」を卒業。4月から「人間と文化コース」に再入学して今にいたる。
奈良県の大和高田市に生まれ、小さい頃から父親の仕事の関係で2年おきに奈良と埼玉を行き来していたという原さん。大阪の全寮制高校に進学し、大学受験を目指してストイックな毎日を過ごしていた。「私の高校はプロ野球選手を多く輩出するほどの強豪校でした。体育会系の生徒はスポーツ推薦で進学する人もいましたし、私は普通科所属でもちろん大学進学を考えていて志望校も決めていました」。
しかし、高校3年で初めての挫折を味わう。「模試の判定が思いのほか悪くて。クラスメートよりも努力していたつもりでしたが『こんなレベルでは志望校に受かりっこない』そう思ってしまい、受験勉強に身が入らなくなってしまったんです」。
ふたりの娘を大学に。私立中受験で感じた“学ぶことの楽しさ”
高校を卒業すると都市銀行へ入行した原さんは、職場で出会った男性と20歳で結婚したのを機に家庭に入り、ふたりの娘を熱心に育てた。「大学進学をあきらめたという後悔と、ちょっとした学歴コンプレックスもありました。娘たちを大学まで入れるという思いは、きっとどのママよりも強かったですね」
育児がひと段落ついた頃、原さんは娘を私立中学に進学させるため家事の合間に時間を作っては受験勉強に付き添い、無事にふたりを私立中学に入学させた。
「娘の受験勉強を見ているうちに、『学ぶって楽しいな』と思うようになって。民間の資格セミナーなんかに通った時期もありましたけど、やっぱり本格的な学びを求めていたんでしょうね。以前から興味のあった心理学をじっくり学べる環境ってないかしらって」。ちょうどその頃、放送大学に通っていた知人と会う機会があった。
心理学を体系的に学べる放送大学は自分にぴったりの環境
「高いお金を払って民間のセミナーを受けるよりも、放送大学なら好きな分野を学問として学べる。しかも大学卒業の学位も得られるのよ」。
心理学を基礎から学べるだけでなく、大卒資格も得られる。それは原さんにとって申し分のない環境だった。友人のその一言が、放送大学への入学を後押しした。
放送大学の大学課程は、教養学部教養学科のみの1学部1学科。教養を養うと共に実生活に即した専門的な知識を得ることが目的だ。原さんが最初に籍を置いた「心理と教育コース」の他、学部内には「生活と福祉コース」「社会と産業コース」など6つのコースが用意されている。履修スタイルは大学卒業資格を満たす「全科履修生」や、好きな科目だけを選べる「選科履修生」など3タイプがある。
原さんの学習スタイルは主に自宅でのインターネット授業。PCやスマホさえあれば場所を選ばず視聴できるため、家事をしながらでも学習できるのが魅力と語る。加えて旅行好きの原さんが絶賛するのは泊まり込みで地方で行う面接授業。これまでに国内数か所を訪ね、日本酒講座などユニークな授業を経験してきた。卒業研究はユング心理学の権威として知られる大場登教授のゼミで論文をまとめ、足掛け5年で卒業した。
心理学から哲学、社会学へ。学ぶ楽しさに終わりなし
2018年から「人間と文化コース」に籍を置く原さんの目標は、全6コースでの卒業。いわゆるグランドスラムだ。「入学した時は心理学だけを学ぶ予定でした。でも心理学で人間の心について研究を進めると哲学に興味がわき、次にメンタルヘルス分野、その次は社会学というように、学問はすべてが関連づいていくんです。学生の頃は文系科目が得意だったのに、今は理系も含めてもっと多角的に知りたいって欲求が止まらなくなってしまってます(笑)」。
人知れず抱いていた学歴へのコンプレックスと友人の勧めがきっかけで放送大学生となって7年。「心理学を学んだ事でいろいろな物の見方ができるようになりました。今までとは別の角度から物事を見るようになると、自分のまわりの風景も違って見えてきて、なんだか性格も前向きになれたんです」。
心理学を学んだことで他のさまざまな分野に興味を持てただけでなく、家族や自分自身との向き合い方も変わった。自分をとりまくすべての事に感謝の気持ちが芽生えたと、原さんは素敵な笑顔で語ってくれた。
原 陽子/はら ようこ
奈良県生まれ。野球強豪校で知られる大阪府内の全寮制高校に進学し、18歳で都市銀行に入行。結婚を機に専業主婦となり現在に至る。知人の勧めにより放送大学全科履修生として2013年に入学。旅行、美術館巡り、お笑い、音楽鑑賞など趣味は多彩。
※この記事は2019年7月現在の情報をベースに作成し、更新しております。内容が変更になっている場合もございますので、詳細は放送大学または、放送大学千葉学習センターの公式ホームページをご確認ください。
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